CBOのスケッチブック

素敵な絵をお届けします

Neuro-Philosophy and the Healthy Mind

f:id:CBO58:20191016104258j:image

 翻訳版は「脳はいかに意識をつくるのか」(白揚社)。ゲオルグ・ノルトフという人の2016年の作品です。哲学者の説に科学者(著者)が挑戦する、という感じでしょうか。脳の場所を表す語の他には、それ程難しい語は出てこないなと思って、油断するとさあ大変。わけがわからなくなった部分が沢山あります。あとでまた、読み返したいと思っています。

 MRIという装置に頭をつっこむと、脳の内部が見えるそうです。また、その最中に話しかけたり、映像を見せたりした時の脳の興奮する様子の見える仕掛けもあるそうです。これを使って、意識とか自我とかの心の問題を調べたそうです。その人の名前を呼ぶと、どこそこの部分が活動するのね、それじゃあこの部分はアイデンティティに関係する部分かもね、という具合に。

 第5章の最後に、感情についてPERSONとBODYとの問答が出てきます。PERSONは、ありありと感じる感情は自分だけの特別なものだから、自分の魂から来るものだと言います。それに対してBODYは、感情にも客観的な対象があるはずだと言います。

 ああこれでボクにもわかるように説明してもらえるのかなと喜んだら、途中から駅だの、町だの、トンネルだのという例え話になって、混乱してしまいました。よくわかりません。

 著者の関心は、心(魂)に相当する脳の部位を特定することにあるようです。どうやらここがこうなってバランスが崩れるとこうなる、ということが書いてあります。本の冒頭に登場するウエルニッケという人やブローカという人の名前が脳の中に残ったように、その部分は将来ノルトフ野と呼ばれるのでしょうか。

 図がいくつかあって、やっぱり何となくKindleは科学読み物には向かないなと思いました。この本では、図を見てもあまり理解の助けにならないので良いのですが。iBookにはこの本は無いし、紙の本よりもいくらか安かったので(それでも2000円ちょっと)Kindle版にしました。