CBOのスケッチブック

素敵な絵をお届けします

くだらねえもの

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 最近、TVのニュースで、「5G」で何ができるのかというのの中で、アイドルとデートする疑似体験ができるというのを見ました。大きなゴーグルをかぶって映像を見るやつです。ボクは、くだらねえなと思うと同時に、30何年か前のボクの20代の時に感じたむなしさを思い出しました。

 当時ボクがくだらねえなと思ったのは、TVのニュースでIC(集積回路)の応用として、コーヒーカップを持ち上げるとメロディーが鳴るというのを見た時です。コーヒーカップの底だか、受け皿の表面だかに光を検知するものがあって、IC仕掛けのオルゴールを鳴らすわけです。メロディーが鳴る電報なんてのもありました。今でもあるのかな。

 その時、勤めていた会社でのボクの仕事が、ICの製造だったので、むなしさもひとしおでした。現像後のポジレジストの表層がピロッと薄く剥けてしまうのをどうするかとか、アメリカ製のヤクザな機械の修理とかの、オッサン達の必死の努力の成果が、オルゴールを鳴らすことなのかと。

 昔、ある人が、コンピューターは世界に5台あれば足りるだろうと言ったそうです。オルゴールを鳴らすとか、アイドルと擬似デートをするとか、スマホで「あぁ」とか「おぉ」とか短いセリフを交わすこととか、クルマを無人で走らせるとかのくだらねえことを全部無くしたら、世界に5台くらいでいいかもしれませんね。5台でも多いかな。

 逆に、今の経済はくだらねえことで成り立っていると言えるのかもしれません。武田邦彦教授は、本来の経済は、みんなが真面目に働いている限り、不景気になることはありえないと言います。景気が変動するのは金融とか、不道徳に儲ける為に操作するせいだと言うわけです。しかし、国民みんながいくら真面目に働いても、それが、本来必要ではないくだらねえものを作るためだったとしたらどうでしょう。


 くだらねえものの最たる例として、最近描いた絵を載せました。ホビットという映画のポスターです。ボクの好きな絵柄です。モノクロで描いたものに、透明水彩絵の具を塗ってみました。スケッチブックは、モレスキンのラージです。