CBOのスケッチブック

素敵な絵をお届けします

The Mysterious Edge of the Heroic World

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 カニグズバーグ15冊BOXセットの最後の一冊。邦訳版の題名は「ムーンレディの記憶」。2007年の作品です。

 アメデオ・カプラン少年の日常から物語が始まります。え?カプラン?そうです。前作「スカイラー通り19番地」でマーガレットを苦しめたサマーキャンプのオーナーで責任者のあのおばさんの孫という設定です。マーガレットの部屋の天井にバラの絵を描いたり、タワーの存続に尽力したジェイクがアメデオの父です。
 さらにアメデオの友達ウィリアムとその母親は、8冊目に読んだ短編集の、最後の物語に出てきた母子です。骨董商からお宝をせしめた二人です。この物語では、アメデオの家の隣りに住むゼンダー夫人が邸宅を引き払うのにあたって、家財道具を処分して現金化するリクイデイターとして雇われたのでした。
 作者のファンサービスでしょうか。

 ムーンレディとは、モディリアーニのヌードデッサンです。丸いお尻をこちらに向けて寝そべる裸婦像という感じでしょうか。ナチスドイツ時代に排斥されたモダンアート作品です。このお宝にまつわるお話です。
 ゼンダー夫人の死んだ夫の書斎の本棚に、隠す様にしまい込んであったこの作品が、どうしてここにあるのか。ミステリアス・エッジとは何か。ヒロイック・ワールドとは何か。難しいです。


 それでは15冊の中のボクのランキングを発表します。

1位 13歳の沈黙 Silent to the Bone

2位 なぞの娘キャロライン My Father’s Daughter

3位 800番への旅 Journey to an 800 Number

 15冊のどれも難しい物語でした。少年少女に教養を授ける文学という感じです。英語の勉強にはなったけど、正直、あまり面白くありませんでした。この3冊はわりと面白く読めました。

 次はジジイも楽しめるような娯楽作品を読みたいと思いました。10年くらい娯楽作品を読んで、英語に親しんだら、文学作品も味わえるかもしれませんね。

 

BUJOやめました

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 昨年の4月末から始めたBUJO(ブージョー、バレット・ジャーナル)を、この前の7月あたまでやめました。自分の死後にこんなものが残っては嫌だなと思ったからです。

 一冊目のPLUSカクリエ・プレミアム・クロスというノートは4ヶ月で終わり、二冊目の(憧れの)モレスキンのドット方眼のノートは203ページまで使いました。この調子で続けるとあと10冊は使いそうです、死ぬまでに。

 BUJOとは、普通の白紙のノートに自由に書き込んでいく式の手帳です。ボクの場合、将来の計画だとか予定はあまりなく、ToDoやアイデアもそれ程多くなく、大部分は日記でした。

 立派なノートにつらつら書いて行くのは楽しいのですが、始末が大変だと思いました。最後に、十数冊を束ねて本のように廃品回収業者に渡すのも気持ちわるいし、シュレッダーするも大変だし、一冊書き終わるたびに始末していったら後で見返すことができないし…

 そういうわけで、このMacBook Airでテキストファイルに書くやり方に戻りました。これならかさばらないし、中味も見られることはないでしょう。

 iPad Proにアップルペンシルで手書きでシステム手帳をつける、なんてのをYouTubeで見て、そんなの紙とペンでやれよと馬鹿にしていましたが、こうした始末の面ではそれもありかなと思う今日この頃です。

 

どの辞書が良いか

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  iPad mini 4 に入れたロングマン英英辞典は語彙が少ないうえに説明文がわかりにくくて、やっぱりダメでした。少し使ってみては失望するというのを、これまで何回か繰り返したのですが、今回で最後にするつもりです。かなり高かったのに残念です。

 今はカニグズバーグの15冊BOXセットの最後の一冊を読んでいるところです。わからない単語があっても、ガマンして辞書を引かずに何となく意味を類推しながら読むのが良いといわれますが、ボクは結構辞書を引きながら読んでいます。

 辞書でわからなければ、ググッて調べます。例えば、mise en scène はフランス語のミザンセーヌで舞台装置のことだとわかると楽しいです。もしかしたらカニグズバーグは、少年少女(あるいは日本に住む汚いジジイのボク)を啓蒙したいのかなと思うので、わからない部分はどんどん調べないと失礼ですよね。すぐ忘れてしまうと思いますが。

 今のやり方は、このMacBook Airのサファリでまず Cambridge Dictionary の英英で引きます。この説明文は簡潔でとてもわかりやすいです。これに載っていない時はやむなく、アルク英辞郎 on the WEB で引きます。それでもわからない時は Google 検索です。

破綻が広がるか

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 武田邦彦教授のブログの最新版を聞きました。ブログと言っても音声で流れます。先生自身が新幹線の燕三条駅で体験した不快な出来事と、例の大阪の富田林署の出来事などについて語っています。

 東京行きの新幹線に乗るべく先生が、燕三条駅の自動改札を通ろうとしたら機械のトラブルで通れなかったそうです。わきの窓ガラスをドンドンと叩くと、中に居た窓口係が振り向いてこちらを見たにもかかわらず、無視しました。そのうち中に居た女性が出て来たけど対応できず、係の職員を呼んで何とかなったけど、やってきた責任者を問いつめても埒があかなかったそうです。

 先生は、自動改札に人が居ないこと、困った客を見ても無視している職員、慇懃無礼な管理職などを問題にしています。昔の日本はこんなことは無かった、自分達の教育が悪かったのだ、と嘆く事しきりでした。


 ボクの見方は違います。

 昔の日本と変わったとすれば、平社員が破綻を食い止めるのをやめたことでしょう。だとすれば、良い方向へ変わっていると思います。

 お客さんが自動改札を通れなくて困っているのを見たら、受け持ちの部署を離れてお客さんの元へ駆けつける、というのが昔の窓口係なのでしょう。しかし、そんなことをしていたら、窓口の業務の他に自動改札のトラブル対応の業務まですることになってしまいます。窓口係が上司に、自動改札のトラブル対応係を配置するように言っても、その窓口係自身が頑張って対応している限り、言い換えれば、現場の平社員が破綻を食い止めている限り、上司は何もしないでしょう。

 現場の平社員である窓口係は、心を鬼にして、自動改札で困っている客を無視すべきです。一回破綻させて、上司に対応させねばなりません。こうした積み重ねによって、武田先生に無礼な態度で接した邪悪な上司は減っていくかもしれません。

 邪悪で無能な管理職が立案する計画は必然的に破綻します。

 邪悪で無能で狡猾な者が管理職となり、善良な平社員が頑張って破綻を食い止めるという日本の組織が変わろうとしているなら、良いことだと思います。

The Outcasts of 19 Schuyler Place

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 カニグズバーグの14冊目。邦訳版の題名は「スカイラー通り19番地」。2004年の作品です。この15冊Boxセットも残るはあと1冊となりました。

 物語の語り手はマーガレット・ローズ・ケイン。そうです。前作のSilent to the Boneの主人公コナーの腹違いのお姉さんです。しっかりした頼れるお姉さんでした。このお姉さんが、自分の12歳の時の出来事を語ります。前作の続編ではありません。テーマも異なります。


 ボクのこの年頃には(これらのカニグズバーグの作品の対象年齢とされる10〜14歳の頃には)、とてもじゃないですがこんな高等な物語を読む実力も気力もありませんでした。もちろん日本語で、です。中学生の頃に読んだのは国語の教科書くらいでした。あとは漫画です。
 高校生になって、やっと大藪春彦平井和正豊田有恒司馬遼太郎を読み始めました。

 このBoxセットを読みはじめて思ったのは、こんなに難しい(読解力のみならず、描かれる風流な情景に共感する能力を要求する)本を読む子どもは居るまいということです。多分に嫉妬めいた感情からくるものです。

 でも徐々に考えが変わってきました。こうした本が出版されるということは、そうした子どもは居るということです。だとすると、そうした成熟した感性というか、風流さを身に付けた(または身に付けかかっている生意気な)人にとっては、むしろ、あるレベル以上の内容のものでないと面白くないだろうなと思いました。つまり、セックスや暴力に関する場面が無いだけで、普通の大人向けの文学作品と同等のものですね。

 そうは言っても、カニグズバーグの読者は、同年代では少数派だろうと思います。この物語でマーガレットが味わったのと同じような仕打ちを受けやすい人々かもしれませんね。

 

Silent to the Bone

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 カニグズバーグの13冊目。邦訳版の題名は「13歳の沈黙」。2000年の作品です。著者は1930年生まれだそうですから70歳の時の作品ですね。

 良いです。前の「The View from Saturday」は一ヶ月かかりましたが、あれより分厚いのに10日で読んでしまいました。これまでの13冊の中では一番です。

 ビビアンは悪い女です。もっと厳しく罰してもらいたいと思います。だって…、おっとネタバレはやめましょう。サスペンスですから。

ヒエラルキーについて

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 お昼にチャンネルを回したら、うっかり室井卯月を見てしまいました。すぐ変えたのでセリフを全部は聞いていないのですが、どうもこの人は組織についてわかっていないようです。一般常識の通用しない人が組織の上層部にいる理由を知らないのかなと思いました。

 ここでボクが得意になって説明するまでもなく、このことこそ一般常識だと思うので、室井卯月自身も一般常識の通用しない人だろうと思います。

 組織では自分から階段を登るのではなく、すでに上にいる人に引き上げてもらうことになっています。上の人は下を見回して、自分と同じ種類で、できれば自分より少し劣る人を引き上げます。全部の階層で同じことがおこなわれます。

 世の中にある組織のなかで、こうなっていない組織があれば是非知りたいと思います。