先人の励まし
テカーに吹き飛ばされ、マウイも去ってしまいました。ひとりぼっちで落ち込むモアナ。もう私には無理と、テフィティの心を海に返してしまいました。すると…
光るマンタが近寄ってきて、モアナの舟の下をぐるりと回りました(中の絵)。振り返るとそこに、死んだばあちゃんが立っています。
「苦労したのね、モアナ
帰りたいのなら、そうしなさい
でも、おまえは誰なの…」
舟の向きを変えようとして櫂を持つモアナ。そこに先人達の舟が現れました。たくさんの舟が輝きながら海を渡って行きます。
なかでも一段と大きな舟に乗った人が、モアナを見てうなずきました(下の絵)。
「私はモアナ。海を渡るものの末裔…」
ばあちゃんに歌いかけ(上の絵)、モアナは海に飛び込みました。潜っていって、海の底に沈んでいたテフィティの心を取って戻りました。
モアナは破れた帆をどんどん縫い合わせ、舟の壊れたところをぐいぐい直していきます。
さあ、そして…
女系の物語
生き物を生み出す女神テフィティ、母なる海、海に選ばれた少女モアナ、モアナの偉いばあちゃんなどが登場する女系の物語だと思いました、「モアナと伝説の海」。ユナイテッドシネマわかば、シニア会員なので1,000円。とても面白かった。
これはエピローグに出て来た貝殻です。モアナがひろい上げて、山頂の石積みの上に載せました。水平線には白い雲がもくもくとしています。青い海。珊瑚礁の内側は緑がかっています。この後、先祖伝来の大型カヌーで外海に乗り出すモアナ一族の勇ましい場面が続きます。
この美しいピンク色をした貝殻を見て女系の物語のシンボルだと見たのは、ボクだけでしょうか。すけべですいません。
マウイの持つ巨大な釣り針を男性のシンボルと見たことは、言うまでもありません。
公園の池
これは以前、iPadにかぶせるフードを作ることに凝っていた頃、入間市の彩の森公園の池で描いたものです。
今日はYouTubeで、森友学園問題にまつわるものを一通り見てしまいました。そこまで言って委員会という番組では、須田なんとかいう人が、この問題には相当大きなパワーが関わったのではないかと言っています。
ボクの疑問は、私立小学校はそれほど魅力のあるものなのかなということです。
たしかに、国有地を格安で買ったり、大阪府の役所を操ったりするのには相当のパワーが必要だろうなと思います。パワーというのは権力のことで、お金もいるだろうと思います。
でも、それだけの投資に見合う利益があるのでしょうか。私立小学校って。
Incognito
iPad mini 4 の iBooks で “Incognito” という本を買いました。邦訳版は「あなたの知らない脳〜意識は傍観者である」早川書房です。受動意識仮説を以前知って、面白いと思いました。これと似た話なら面白いだろうから読みたいと思い、邦訳版があるかと市立図書館で検索したら貸出し中でした。そちらは一旦予約しておいて、iBooksで洋書のサンプル版をDLして読んでみたら、なんとか読めそうなので買ってしまいました。
洋書を読む時の、Kindle Paperwhiteに対するiBooksの強みは、辞書機能です。Kindleでも、頑張って単語をタッチして待っていれば辞書が出ますが、くそです。iBooks、というかiPadではタッチするのも楽だし、それほど待たなくても辞書が出ます。辞書もKindleより勝っていると思います。語彙力のある人はKindleでも良いでしょう。
また、ボクの見る限り洋書では、iBooksよりもKindleの方がだいたい安いです。しかし、なかにはiBooksのほうが安い本もあって、この”Incognito”はそうでした。どちらかというと、小説ではなく自己啓発本とか科学読み物的な本はiBooksのほうが安い感じです。
それから、画面の見やすさではiPadの方が上です。iPad miniでもKindleよりは大きいし、美しい文字で読めます。Kindle Paperwhiteはイーインクなので目が疲れないとも言いますが、普通の紙の本だって目は疲れるので一緒です。
しかし、iPadの画面は外のひなたではお手上げです。欧米では外で本を読む趣味のある人がいるそうなので、Kindleが有利でしょうね。ボクはそうした趣味はありませんが、広々とした場所でのんびり本を読むのも良いかもしれませんね。花粉症でなければ。
Aの思い出
トランプ大統領の関係の報道を見るたびに、思い出すのはA課長のことです。
ボクの働いていた職場は、会社の製品に組み込む部品の製造工場でした。製品の心臓部に相当する部品なので自社で作ろうというわけで、ボクの入社した頃に試作が始まりました。その後、なんとなく試作を続け、なんとなく夜勤も始まりました。土日は休みで、月〜金は24時間稼働でした。
そしてある時、会社から土日も含めた連続操業の提案がありました。ちょうどこの時期に、ボクは労働組合の役員をしていました。提案された交代勤務の条件の厳しさから、職場は猛反対。しばらくこう着状態でした。ボクは板挟みで苦しみました。
仕切り直しでは、まず管理職の異動がありました。職場の評判の悪かったT課長は去り、新たに送り込まれたのがA課長でした。
A課長はすぐに、「◯月から連続操業を開始する」と宣言したものでした。職場は大騒ぎ。ボクは高みの見物。あとで、組合の委員長の言うには、A課長の作戦は見事だったようです。つまり、大騒ぎのなかで、特に手強い数名が浮かび上がり、そこを集中的に攻めて文句を言わせないようにしたとか。同時に、交代勤務の条件をマイルドにしたそうです。ボクの高みの見物も実は(A課長とぐるの)委員長の指示によるものでした。声を掛けるまで組合は職場に来てはいかんということだったようです。
その年の夏頃、組合に声が掛かり、ボクが職場の組合員を集めて職場討議を開きました。「(会社提案で)いいですね?」というボクの問いかけに、皆さんは黙ってうなずくばかりでした。A課長の宣言より少し遅れたものの、連続操業は開始されました。
ボクの知った情報と邪推を総合すると、この連続操業騒動の発端はM専務の意地だったようです。代表権まで手中に収めたM専務が目をつけたのが、なんとなく試作しているわりには金を使うボクの職場だったのです。しかし、創業家のご意向で、お取り潰しは相成らぬとなり、意固地になって、高価な製造装置を揃えているからには、連続操業のひとつでもやってみろという感じになったのでしょうか。事業の計画上の必然性とかは全く無かったようです。最初の会社提案の時に、職場の組合員や上司の双方から罵詈雑言を浴びたボクは何だったのでしょうか。
A課長はすぐに去りました。こんな職場に長居は無用という感じでしょうか。そして、肝心の連続操業も、ちょうど一年で終わり、元の土日休みの夜勤に戻りました。
最初にがーんと衝撃を与え、飛び出してくるやつを個別に叩き、少しマイルドにして飲ませるというA課長の作戦と、トランプ大統領のやっていることが似ているような気がして、20年程前のことを思い出しています。
何年か前に描いた高梨さんの絵は、文とまったく関係ありません。資生堂が組んだとかで、この頃とは見違えるようになった高梨さんですね。