CBOのスケッチブック

素敵な絵をお届けします

Grooming, Gossip and the Evolution of Language

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 ロビン・ダンバー博士の1996年の作品。日本語版は「言葉の起源:猿の毛づくろい、人のゴシップ」青土社です。ボクの好きな分野なので、よくわからなかったけど面白かったです。

 言葉は、親父連の小難しい抽象的な議論をするためではなく、お母さん達の井戸端会議をするために生まれたという説です。ボク達のご先祖さまにはゴシップ、つまり誰が誰と何をした(または何をしなかった)かを交換するやり方を発達させるべき切迫した理由があったそうです。猿の群れでは、時間をかけて丁寧に毛づくろいをしたりされたりすることで群れの親密さを保つそうですが、ご先祖さま達は群を大きくしたり行動範囲を広げたために、のんびり毛づくろいをしている暇がなくなり、それ以前から使っていた意味を持つ叫びを応用して声でコミュニケーションする、つまりおしゃべりをはじめたと云います。

 以前、吉田拓郎坂崎幸之助のラジオで吉田拓郎が、夫婦円満の秘訣として、家では奥さんと喉の枯れるまで延々とおしゃべりをすると言っていました。まさに猿山で二匹が交互に毛づくろいをしている姿が浮かびます。脳内では、幸せ物質がピューピューと分泌されるのでしょうね。うらやましい。

 また、本の最期の方には road rage 、つまりあおり運転のこともちょっと出てきます。あおり運転そのものは置いておくとして、ワイドショーで延々とやっているのは、まさに言語の目的というか本質に根ざした立派な取り組みなのでしょう。ホルムズ海峡や香港やイギリスなどのことよりも、哀れな運転手をガンガン殴った男の半生を伝えることのほうが重要なのです。


 ところでこの本を読んでいる途中、Kindleで二つ変なことがありました。

1)ページが消えた

 出先で少し読んで、帰宅後に続きを読みはじめ、ページをめくるとあら大変。別世界に迷い込んだ感じでした。iPadKindleアプリでみたら、Kindleの方は確かに消えていました。Kindleで、端末から削除するをやって、再度読み込んだら消えていた部分が復活しました。

2)進捗%がおかしい

 上のことでiPadKindleアプリで見た時、進捗が70%くらいになっているのにびっくり。Kindleでは同じ場所で、まだ50%くらいです。よくよく見ると、巻末のIndexの部分の位置No.が異常に大きいことがわかりました。これからは進捗%はあてにしないことにします。