CBOのスケッチブック

素敵な絵をお届けします

Your Inner Fish

f:id:CBO58:20180615163013j:plain

 

 武田邦彦教授が尾崎豊の「15の夜」を絶賛しているのを聞きました。男の子は14歳になると、自分の生きている意味がわからず、悩むのだそうです。この詩が見事に表現しているそうです。元をたどれば、生命が有性生殖をはじめたことに行き着くと言います。女の子はともかく、現代の男の子は、子を守る為に戦うとかいう原始的なオスの役割を失った(奪われた?)為に悩むのだそうです。自分の生きている意味は無いのではないかと。

 そういうわけで、ボクがこの本を読みたかったのは、自分の生きている意味を知りたい気持ちからだったのかもしれません。なんつって。

 邦訳版は「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」です。YouTubeには3回シリーズの、同名の番組がありました。英語です。

 著者らが北極圏で化石を発掘する冒険談の部分はそれほど多くなく、生き物が、太古から現在まで、どう姿を変えてきたかの部分がメインです。研究の歴史から、最新の成果まで述べています。興味のあることなので、それほど苦しまずに読めました。古生物の名前とか発音できない単語はテキトーに読みました。実験室で生物の胚をいじる部分は、少し気持ち悪くなりました。

 もちろん、自分の生きている意味を知ることはできませんでした。何も悩んでもいなかったし。

 でも、何かすごいなとは思いました。これまで地球上に生まれた生命、バクテリア、クラゲ、ミミズ、魚、トカゲ、ねずみ、サルなどの縦方向の全部が自分の中にあると考えることもできるらしいのですから。DNAレベルでは。