CBOのスケッチブック

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スター・ウォーズと大相撲

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 全員がミレニアム・ファルコン号に乗れてしまうほどの少人数になった反乱軍部隊。なんとか脱出できたとしても、これだけの勢力でファーストオーダーに対抗できるのでしょうか。しかし、レイア将軍は
「大丈夫です。準備はできています」
と言いました。
 同じ頃カウント・バイトの厩舎では、少年が立てかけてあるほうきを手に吸い寄せて、あたりを掃除しはじめました。

 これは何を暗示しているのでしょうか。

 スター・ウォーズはフォースの暗黒面との戦いを描いていると言ってよいでしょう。フォースの暗黒面とは、悪い感情に囚われてしまったジェダイです。ジェダイはフォースを持つ子どもを、訓練して養成するエリート騎士団です。ダース・ベーダーことアナキン・スカイウォーカーは、オビワンの弟子でしたが暗黒面に落ちました。カイロ・レンことベン・ソロは、ルークの指導中に脱落したようです。
 ルークが最後のジェダイでしたが、空間を超越する術のあと消滅しました。

 レイは不気味な洞窟で何を体験したのでしょう。鏡のような壁に映ったのは、自分自身の連続でした。

 ストーム・トルーパーだったフィンもフォースを持つようです。ライト・セーバーを扱うことができました。整備兵の中華風戦士もフォースがあるやに見えます。

 レイア将軍が見ているのは、銀河の普通の住人たちがフォースに目覚め始めた様子ではないでしょうか。ジェダイというエリート騎士団ではなく、人民が表舞台に立つ様子を。
 今後の展開としては、レイを中心として銀河のマグナ・カルタとでも呼ぶべき秩序が制定され、フォースに目覚めた人々(人間型にしろチューバッカ風にしろ何にせよ)の基本的人権が確立されるのでしょう。自分自身が無限に続く、壁に映ったレイの姿は、個人主義を暗示しているように思いました。目覚めたままのフォースは中立であり、個人の自由意志を実現する為の力でもあるのでしょう。

 しかし、フォースの暗黒面という脅威は無くなったわけではないので、いつでも戦争になるリスクは抱えています。法によって個人の自由は最大限に守りますが、暴力には暴力で対抗します。

 

 住民を虐殺する悲惨な戦争を経て、こうした秩序に到達した西欧に対して、日本はだいぶ異なっているようです。最近の大相撲の騒動は、このことを考える良い例だと思います。

 日本では西欧から輸入された法は軽んじられ、いまだに親子関係が秩序の基本なのだと思います。そうでなければ、大相撲そのものが成立しないでしょう。師匠と弟子が部屋で修行し、部屋(=家)の代表が勝負する場所が土俵です。手をついたり、土俵から出たら負け。

 白鵬がモンゴル勢の一家を持ったのは自然なことです。そこでは法は無く、親が絶対であり、子に言うことをきかせるためには親は何をやっても良いことになっています。暴力という意識は無いのだと思います。
 同じように、貴乃花親方は理事会という親の言うことをきかない子どもですから、何をされても文句は言えないでしょう。法に訴えても無理だと思います。

 武田邦彦教授はこうした秩序に不満のようです。ボクも嫌ですが、しょうがないですね。