Thinking, Fast and Slow
4ヶ月かかって読み終わりました。多少の感慨なきを得ません。
著者はノーベル賞受賞者ですから、とてもありがたいことが書いてあります。と言っても、よく考えると、ことわざの「終わり良ければすべて良し」とか「岡目八目(おかめはちもく)」みたいな部分もあります。
リンダは今何をしていると思いますか?の部分は何のことかわからず、何回か読み返しました。ボクのシステム2を総動員して考えたところ、どうやら集合の問題を言っているようです。
A) リンダは銀行の窓口係です。
B) リンダは銀行の窓口係であり、かつ、フェミニスト活動に熱心です。
数学の集合はお手上げですが、どうやらBよりAの方が絶対に高いそうです、可能性というか確率というか、なんかそんな感じの話です。
しかし、学生時代のリンダの紹介文を読んだあとには、AよりBのほうが可能性が高いと(うっかり)思ってしまうのが、著者のいう、システム1の浅はかさだそうです。
ボクの感覚では(日本語で言うと特に)、こうして並べて言われた場合、Aはフェミニスト活動に熱心でない銀行の窓口係という意味に受け取ります。だから、うっかり勘違いをしたというよりは、言葉のあいまいさの問題ではないかと思いました。
これがそもそも、システム1をかばうシステム2の哀れな強情さなのでしょうか。