シャーロットの贈り物
「シャーロットの贈り物」は2006年のアメリカ映画です。アメリカの児童文学を映画化したものだそうです。これはダコタ・ファニングと子豚のウィルバーです。
子豚のウィルバーが主役と言ってもいいと思います。あちらの子どもは随分きびしくしつけられると聞きました。しつけの過程で、お肉として食べられてしまうウィルバーの境遇に感情移入できるほどの恐怖を体験するのかもしれません。そして、親子は別々の独立した人格となるのでしょう。
こちらでは大体、子どもは甘やかして育てます。精神分析者の岸田秀によれば、日本人の対人関係の基本は「甘え」だそうです。岸田は「自己放棄衝動」という言葉を使います。良い悪いではなく、そういうものだということです。甘えてよい時と、そうでない時を見極めるのは難しく、これを会得できないと社会的不適応になってしまうのかもしれません。
オレオレ詐欺の本質的な部分もここにあるような気がします。つまり、子どもや孫の危機に際して、すべてを投げ出しても助けたいという衝動が起きるのではないでしょうか。おそらく欧米の親はそんな気にはならないし、子どもも親に助けを乞うことはしないのでしょう。